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口頭

La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$における格子・電荷ダイナミクスと結合したスピン励起

池内 和彦*; 脇本 秀一; 藤田 全基*; 福田 竜生; 梶本 亮一; 新井 正敏*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導系では、強相関に起因して電子自由度の分離が起こると共に、それぞれのモード間、さらに格子系を加えた準粒子励起間で結合が生じ、これが高温超伝導を含めた特徴的な物性の引き金となりうる。実際、代表物質であるLSCOの磁気励起が、格子振動と交差するエネルギー近傍において、スペクトル強度が増大を示すことが報告されている。このモード間結合状態の理解のために、特徴的な強度増大が生じる条件について調べた。J-PARCの分光器「四季」により中性子非弾性散乱実験を行い、励起強度の正孔添加量依存性を調べた。さらに、比較物質として、伝導性は示さないが銅酸化物系と類似の高次スピンテクスチャを示すNi系についても同様の測定を行った。その結果、これまで格子振動のスペクトル強度の増加は、スピン系との結合によりもたらされるものと議論されていたが、むしろ、電荷自由度の第一義的な役割を明らかにする結果が得られた。さらに、高温超伝導相と密接に関係する可能性を示唆するような正孔添加量依存性を持つことが明らかになった。本講演において、磁気励起スペクトルが示す強度増大と、磁気相関と密接に関連する超伝導性の関係性を議論し、磁気励起スペクトルに非自明な構造が出現する条件について考察する。

口頭

日本刀の微小領域回折試験

及川 健一; 土川 雄介; Harjo, S.; 松本 吉弘*; 鬼柳 善明*

no journal, , 

MLFのBL22やBL19では、中性子を用いる非破壊日本刀研究グループにより、これまでCT, ブラッグエッジイメージングや回折実験を行ってきた。塩田らはブラッグエッジイメージング実験により、ある古刀の切先に近い部位においてボイドらしきものを捉えた。松本らはCTにより、この古刀のボイドが造り込みの鍛接部の痕跡を示すと考えられる解析結果を得た。我々はRietveld解析により、そのボイド領域近傍の詳細な情報を得ることを目的として、微小領域回折試験をBL10にて開始したので、それを紹介する。今回の測定では1mmラジアルコリメータを用い、最小入射ビームサイズ幅0.5mm$$times$$高さ5mmとした。当日は得られたデータの解析状況を紹介する。

口頭

JRR-3における中性子応力測定装置RESAの現状2022

諸岡 聡; 徐 平光; 柴山 由樹; 佐々木 未来; 菖蒲 敬久

no journal, , 

中性子応力測定装置RESAは、角度分散型の中性子回折装置であり、JRR-3ビームホールのT2-1ポートに設置されている。中性子応力測定とは、原子間を評点間距離とする物理的な応力計測法であり、中性子の優れた透過能を生かすことで、数mmから数十mmオーダーの材料内部のひずみ・応力状態を非破壊・非接触で測定することができる唯一の測定技術として知られており、種々の機械構造物の残留応力測定を通して、高性能,高信頼性,長寿命化を目指した製品開発や構造設計に大きく貢献している。中性子回折法による応力測定技術は、中性子産業利用推進に貢献する中心的な測定技術の一つである。例えば、自動車エンジンやロケットエンジンといった輸送機械部品、インフラ構造物や発電プラントを模擬した溶接構造物など、様々な機械・構造物の信頼性・健全性の確保や安全設計を目的とした安全・安心かつ持続可能な社会の実現に関わる重要な力学パラメータの一つである残留応力を評価するために広く用いられている。2021年度のJRR-3の運転再開により、日本国内における中性子応力測定装置はRESAとTAKUMIの2台体制となる。このような恵まれた実験環境を活かし、学術利用及び産業利用の多くのユーザーに本測定技術を利用していただき、世界をリードする数多くの研究成果を創出していきたいと考えている。本ポスター発表では中性子応力測定装置RESAの現状について紹介する。

口頭

中性子核反応測定装置(ANNRI)における非破壊分析法の開発

瀬川 麻里子; 前田 亮; 藤 暢輔; 木村 敦; 中村 詔司; 遠藤 駿典

no journal, , 

中性子核反応測定装置(ANNRI)は、J-PARC物質・生命科学実験施設のビームラインBL04に設置されており、主に核データ測定、核種分析、天体核物理研究のために用いられている。ANNRIでは、大強度のパルス中性子を用い、放射化分析の一つである即発$$gamma$$線分析(Prompt Gamma-ray Analysis: PGA)に加え、中性子共鳴を使った分析(中性子共鳴捕獲分析法)とPGAを同時に行うTOF-PGAが可能である。我々は、PGA及びTOF-PGAを基盤技術とし、中性子共鳴がもつ温度依存性(ドップラ効果)を利用した非破壊・非接触温度計測手法の確立を目指している。このドップラ効果とは、測定試料中の原子核が高温あるいは低温になると、原子核の熱振動により中性子共鳴ピークの形状が変化する現象である。本研究では、温度計測手法の原理実証の為、測定試料(Ta)の温度を296$$sim$$765Kまで変化させ、TOF-PGA等を利用してドップラ効果による中性子共鳴ピークの変化量(以後、ピーク変化量)を分析した。この結果、中性子エネルギーEn=4.28eV領域において、ピーク変化量が測定試料の温度に依存し変化していることを確認した。さらに、ピーク変化量と測定試料の温度の関係が一次関数により精度よく近似可能なことから、試料の温度が765K以下の領域において、本手法により温度計測が可能であるという見通しを得た。会議では、PGA及びTOF-PGAの原理や特長に加え、温度計測手法についての成果を報告するとともに、ANNRIにおけるハードウェアとソフトウェア開発の現状などについても紹介する。

口頭

強磁性層間交換結合を利用した広バンド幅中性子偏極スーパーミラー

丸山 龍治

no journal, , 

原子力機構ではJ-PARC MLFにおいて今後期待される偏極中性子を利用した成果創出に貢献するため、中性子偏極スーパーミラーの高性能化に関する研究開発を進めている。幅広い波長域をもつパルス中性子ビームを供給するMLF中性子源の性能をフルに活用するには、偏極スーパーミラーの層厚分布のうち、最も層厚の小さい部分を1周期あたり6nm以下とすることが必要である。本研究では、中性子偏極スーパーミラーを構成するFe/Ge多層膜に対してMLFの共用ビームラインである偏極中性子反射率計BL17において非鏡面偏極中性子散乱測定を行った結果、Ge層厚が2nmより小さい領域では隣り合うFe層の間で強磁性的な層間交換結合が形成されることを明らかにした。これを利用すると1周期の層厚が6nm以下であってもバルクと同等の磁化を維持できることに着目し、トータル10436層、全層厚約32$$mu$$mの中性子偏極スーパーミラーを成膜した。BL17において偏極中性子反射率を測定したところ、Niの全反射臨界角の6倍以上の運動量遷移という2023年1月現在で世界最高の偏極可能域を達成した。

口頭

J-PARC MLFにおける減速材・反射体遠隔取り合い試験

大井 元貴; 山口 雄司; 勅使河原 誠; 直江 崇; 菊池 佳範*; 安原 利幸*; 猿田 晃一; 木下 秀孝; 原田 正英

no journal, , 

J-PARC物質生命科学実験施設(MLF)の中性子源では、水銀ターゲットで発生した中性子を減速し、効率良く実験装置に送り出すために、反射体と3台の減速材が設置されている。反射体と減速材は30000 MWhを設計寿命としており、順調に運転が行われた場合、2026年には設計寿命に到達する。使用済みの減速材及び反射体は、非常に高い放射能を有するため、交換作業は遠隔操作で行う必要が有る。MLFは運転開始から既に15年が経過しており、遠隔作業の手順の見直しおよび再確認し、問題点の洗い出しを行うこととした。遠隔取り合い試験については、MLFのホットセル内で交換用の予備機を用いて2021年と2022年に実施した。試験では、非結合型減速材の着脱、および、反射体の着脱は大きな問題なく実施できたが、結合型減速材とポイズン型減速材の取り扱いに置いて問題があることが判明した。また、いくつかの吊り具に変形があり、作業に影響があることが分かった。確認された問題については、適宜改善を行い、2023年度の夏期メンテナンス期間中に再度仮組試験を行う。実機の交換作業は2024年度に実施を予定している。

口頭

中性子ターゲット容器寿命予測

直江 崇; 粉川 広行; 涌井 隆; 羽賀 勝洋

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)のパルス核破砕中性子源に設置されている水銀ターゲット容器は、陽子及び中性子による照射損傷、陽子ビーム入射時に水銀の熱衝撃によって生じる圧力波による繰返し応力に加えて、圧力波が引き起こすキャビテーションによる内壁の壊食損傷を受ける。特に、薄肉構造化された容器先端部分では、内壁の壊食損傷が容器の構造健全性を著しく低下させるため長期間の高出力安定運転の障壁となっている。壊食損傷を低減するための対策として、圧力波を低減するための水銀中へのマイクロバブル注入、及び激しい壊食損傷が生じる先端部を2重壁構造化している。これらの対策による損傷低減効果について、内壁に形成された実機の損傷を観察することで確認しながら、段階的に運転出力を増加している。運転出力を検討する際の指標として、オフビームでの壊食実験や、これまでに測定した実機の損傷を基にして、運転条件から壊食損傷の深さを予測する経験式を構築し、実測した損傷を反映させながら予測精度の向上を図っている。発表では、これまでに得られた損傷の観察結果を踏まえて、経験式から評価できるターゲット容器の寿命予測について報告する。

口頭

J-PARC MLF実験制御ソフトウェアフレームワークIROHA2の現状2022

長谷美 宏幸; 稲村 泰弘; 森山 健太郎*

no journal, , 

IROHA2はJ-PARC MLFに設置された中性子実験装置の制御や自動測定を行うためのMLF標準装置制御ソフトウェアフレームワークである。IROHA2は、機器制御を実施するデバイス制御サーバーおよび機器構成や実験装置での測定を管理する装置管理サーバー、自動測定を可能にするシーケンス管理サーバー、実験装置の測定状態やデバイスステータスを統合的に管理する統合制御サーバーから構成される。IROHA2はWebユーザーインターフェイスを有しており、装置スタッフやユーザーはWebブラウザから各サーバーを操作することが可能である。2021年度から2022年度にかけての改善・改良点として、セキュリティサポートが有効なPython3のマイナーバージョンへの対応や廃止・非推奨機能の置き換えなどがある。また、主な新機能として、(1)デバイス監視ログ可視化機能の開発と(2)DAQミドルウェアとの連携機能の高度化がある。(1)は新規開発したデバイス監視ログ収集サーバーが定期的に収集するデバイスのステータス情報を分散型検索/分析エンジンElasticsearch[1]に格納し、それらをWebアプリケーション可視化ツールGrafana[2]で可視化するシステムである。これにより装置で使用しているデバイスの情報を一元的に管理し、時系列データを柔軟に可視化できるようになった。(2)ではDAQミドルウェアのKickerコンポーネント名の指定方法の改良と統合制御サーバーにおいて各DAQコンポーネントの情報を一覧で表示するパネルの追加を行った。これにより設定時の利便性の向上と、データ収集系と実験装置の状態を一元的に監視することが可能になった。この他、IROHA2ポータルサイト(https://mlfinfo.jp/groups/comp/ja/iroha2.html)を開設し、IROHA2のバージョン情報やHTML化したマニュアルなどを公開している。今後も装置スタッフなどからの要望を取り入れた新規機能の追加や機能改善、セキュリティ面でのアップデートやバグ修正などを継続的に実施していく予定である。[1] https://www.elastic.co/jp/elasticsearch/、[2] https://grafana.com/

口頭

非弾性中性子散乱装置「四季」の整備・利用状況

梶本 亮一; 中村 充孝; 蒲沢 和也*; 稲村 泰弘; 飯田 一樹*; 池内 和彦*; 石角 元志*

no journal, , 

四季はJ-PARC・MLFのビームライン01(BL01)に設置されている、数meV$$sim$$数100meVのエネルギー領域を測定対象とする直接配置型非弾性散乱装置である。その中分解能・高測定効率という特徴を活かして、超伝導体,量子スピン系,フラストレート磁性体,熱電物質等のスピン・格子・原子ダイナミクスの研究に用いられている。最近の整備・高度化として、大型真空散乱槽のための真空制御系の自動化、ディスクチョッパーの高速化、ボトムローディング冷凍機およびクライオファーネスの導入、新しい検出器用電気回路の導入試験、ソーラーコリメータの導入等を行った。また、運用面では、利用のさらなる拡大を目指して2022B期よりFast Track Proposal課題の受入れを始めた。本発表ではこれらの整備・利用状況の詳細を示すと共に、検討中の将来の改造計画についても簡単に紹介する。

口頭

2022年度のMLF放射線安全チームの活動

原田 正英; 橋本 典道*; 奥 隆之; 相澤 一也; 石角 元志*; 細谷 倫紀*; 清水 勝美*; 海老原 敦*

no journal, , 

MLF放射線安全チームは、主に、課題申請時の放射線安全審査を始めとして、ユーザー実験の放射線安全の管理と担保及び実験ホールでの放射線管理の支援を行っている。非管理区域への汚染拡大防止及び実験の自由度の拡大のために、2016年11月より、第1種管理区域表面汚染低減区域を運用している。放射線管理をサポートするために、増築建屋からの入域に対する入退域管理システムを導入し、2021年12月から運用を開始した。また、固定式及び可搬式のGe検出器を用い、放射化した試料や機材からのガンマ線を測定して放射性核種を同定し、放射線安全に活用している。測定結果からは、放射性核種としては、Co-60 (T$$_{1/2}$$=5.271y)、Mn-54 (T$$_{1/2}$$=312.1d)、Ag-110m (T$$_{1/2}$$=249.8d)、Ta-182 (T$$_{1/2}$$=114.4d)が、検出されることが多い。また、表面汚染計の測定から、ガンマ線を放出しないP-32 (T$$_{1/2}$$=14.3d)やS-35 (T$$_{1/2}$$=87.51d)の可能性が示唆される。なお、バックグランドよりも高い線量を持つ試料の受け入れについても検討をすすめている。当日ポスターでは、2022年度の放射線安全チームの活動報告を行うとともに、詳しい運用や設備の現状と今後の予定を報告し、ユーザーからの相談を受け付ける。

口頭

水素含有物質の断面積測定

原田 正英; 安部 豊*; 及川 健一; 河村 聖子; 稲村 泰弘; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 池田 裕二郎*

no journal, , 

大型中性子源や小型中性子源で使用されている減速材は、水素の高い減速特性から、水素含有物質を用いることが多い。冷熱中性子性能を決める全断面積や散乱断面積を含む散乱特性は、減速材選択の重要なデータである。しかしながら、これまで広く一般に使われてきたデータには、測定時期が古いものがあることや、測定方法もまちまちであることから、不確定性が存在する。そこで我々は、次世代中性子源開発に向け、2018年度より、J-PARCセンターの物質生命科学実験施設の中性子実験装置にて、系統的な水素含有物質の断面積測定を開始した。測定では、全断面積の測定はNOBORUで、散乱断面積の測定はAMATERASでそれぞれ行った。試料はアルミニウム製セルに封入し、試料の温度は、20, 100, 200, 300K及び融点付近の温度点とした。全断面積の測定は、飛行時間法を用い、試料毎にエネルギー依存の中性子透過率を測定し、全断面積に変換した。散乱断面積は、チョッパーで複数のエネルギーにチョッピングし、散乱強度を測定することで、散乱断面積に変換した。今回の発表では、水素含有物質として、2021年度に測定したキシレン異性体(オルソ, メタ, パラ)の結果と異性体間の断面積の比較を報告する。

口頭

MLF-TS2の中性子性能

原田 正英

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)は、3GeV、1MWの陽子ビームにより、炭素標的に当ててミュオンビームを発生させるミュオン源と、水銀標的にフルストップさせ核破砕反応により中性子を生成する核破砕中性子源と持ち、ミュオンビームを利用するミュオン実験装置と、冷熱中性子による中性子散乱実験を行う中性子実験装置が設置されている。これらは、第1ターゲットステーション(TS1)とされ、2008年より運転を開始したTS1は、2023年2月現在、800kW程度で共用運転を行っている。将来計画の一環として、MLF第2ターゲットステーション(TS2)の検討を進めている。TS2は、中性子とミュオンの両方を取り出し可能なタングステン回転標的を主案とし、陽子ビームを高密度化し、冷熱中性子を供給する減速材をできる限り標的に近づけ、減速材をやや平坦化することにより、中性子の輝度増を考えている。ビーム出力については、加速器の総出力を1.5MWに増強し、TS1で1MW、TS2で500kWとすることを主案としている。現在は、TS2の最適化を進めており、TS1と比較すると、中性子の強度(輝度)は単位出力当たり10倍、ミュオンの強度は、単位出力当たり50倍となる可能性が得られている。本発表では、TS2の中性子性能に特化し、TS1での中性子特性の測定結果を引き合いに出しながら、最適化を踏まえた現時点で想定されるTS2の中性子性能を紹介する。

口頭

分散型プレデカップリング効果を用いたJ-PARC核破砕中性子源用ボロン系熱中性子吸収材の開発

奥冨 敏文*; 勅使河原 誠; 原田 正英; 大井 元貴; 倉本 繁*

no journal, , 

J-PARCの核破砕中性子源では、中性子特性向上のために減速材及び反射体に用いられる冷熱中性子吸収材(デカップラー)の開発を進めている。我々は新たなデカップラーとして1/v型の中性子吸収特性を有するボロンに着目した。しかし、ボロンは、$$^{10}$$B(n,$$alpha$$)$$^{7}$$Li反応により生成したヘリウム(He)が材料脆化を引き起こすため大強度線源では使用が困難だと考えられていた。これを解決するために、ボロン系材料中にガドリニウム(Gd)等の別の熱中性子吸収材を混在させることで$$^{10}$$B(n,$$alpha$$)$$^{7}$$Li反応の抑制を図り、材料の延命化を狙うとともに、$$^{10}$$Bの優れた中性子吸収特性を生かすプレデカップリング効果を提案した。製作性の向上のために、これを改良し、アルミニウム(Al),炭化ホウ素(B$$_4$$C),酸化ガドリニウム(Gd$$_2$$O$$_3$$)を分散させた混合粉末の焼結体を試作した。実用化ためには、各材料の分散度,材料強度,構造材のアルミ合金との接合性,熱伝導率等を明らかにする必要がある。ポスター発表では、試作した焼結体の均一分散性,材料強度,熱特性の測定結果を報告する。

口頭

中性子ビームラインの現状

川北 至信

no journal, , 

J-PARCセンター物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり、その内21本に中性子実験装置が設置され、一般利用に供されている。装置のコミッショニングやアップグレード、周辺機器の開発、自動化・遠隔化、代表的なサイエンスをトピック的にいくつか取り上げて紹介する。

口頭

MLF陽子ビーム窓の材料に対する照射試験

山口 雄司; 明午 伸一郎; 大久保 成彰; 大井 元貴

no journal, , 

MLFでは、高真空の3GeV陽子ビーム輸送ラインと大気圧ヘリウム雰囲気のターゲットステーションを隔離するため、アルミニウム合金(A5083)製の陽子ビーム窓を用いている。陽子ビーム窓は利用運転中、1MWの大強度陽子ビームの照射下にあり、安定した運転のためには、陽子ビーム窓材の放射線照射による影響の理解が重要となる。MLFの陽子ビーム窓材と同様なアルミニウム合金は、スイスのポールシェラー研究所の核破砕中性子源(SINQ)のセーフティハルとして用いられており、SINQではすでに照射後試験がおこなわれた。照射後試験の結果として、はじき出し損傷や水素(H)及びヘリウム(He)の生成に起因した材料の脆化、硬化の観測が報じられている。一方、MLFでは法規上の問題で照射後試験を実施できないという問題がある。そこで、イオン照射施設を利用し、アルミニウム合金A5083に対する照射試験をおこなった。本発表では、高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設(TIARA)で実施したイオン照射と、照射したA5083試料の押込み試験について報告する。

口頭

シンチレータ中性子検出器の大面積化

中村 龍也; 藤 健太郎; 坂佐井 馨; 細谷 孝明; 鬼柳 亮嗣; 大原 高志

no journal, , 

MLFのBL18用の2次元中性子検出器の大面積化を進めている。BL18は単結晶中性子構造解析用の中性子回折装置であり、現在は試料周りに有感面積256$$times$$256mm、ピクセルサイズ4mmの2次元検出器が41台装填され、測定効率の向上が図られている。本発表では、SENJUの真空散乱槽下への設置用として開発した従来比で2$$times$$2倍サイズをもつ検出器(有感面積512$$times$$512mm)やバンク設置用として開発した1$$times$$3倍サイズをもつ検出器(有感面積256$$times$$768mm)をはじめとする2次元シンチレータ中性子検出器の大面積化について紹介する。

口頭

その場中性子回折によるMg合金の変形機構に及ぼす温度と負荷条件の影響

Gong, W.; 川崎 卓郎; 相澤 一也; Mao, W.; Harjo, S.

no journal, , 

Application as the structure components, the Mg products cannot avoid to be used under cyclic loading and at extreme temperatures. However, the methods for studying deformation behavior in Mg alloys under various extreme environments are limited and the corresponding deformation mechanisms are far from fully understood. Here, we conducted in-situ neutron diffraction experiments under compression-tension cyclic deformation and at cryogenic temperatures to investigate the changes in deformation behavior and corresponding activities of deformation mechanisms in a commercial AZ31 Mg alloy. The stress-strain curves of cyclic compression and tension deformation show a strong asymmetry between compression and tension. In situ neutron diffraction results demonstrate that the compressive deformation was dominated by twin nucleation, twin growth, and basal slip, while detwinning dominated the unloading of compressive stresses and subsequent tension stage. The accumulation of barriers including twin boundaries and various types of dislocations enhanced the interactions of migrating twin boundary with these barriers during twinning and detwinning, which is considered to be the origin for increasing the work hardening rate in cyclic deformation of the AZ31 alloy.

口頭

MLFの中性子データ処理環境「空蝉」の現状2022

稲村 泰弘; 伊藤 崇芳*

no journal, , 

MLFの実験装置において、測定試料における多様なTime-Transientな現象を捉えるために採用されたイベント記録方式を実際の測定実験に応用することが、空蝉の最も重要なミッションであると考えている。この機能は、主に測定試料へ加えられる外場(温度、電場、磁場など)の変化の制御や観測するデバイス、もしくは中性子光学系の制御を行うデバイスから電気シグナルを得て、データ収集システムで読み込むことで実現される。そのため、一見分かりにくく複雑なシステム構築とデータ処理が必要であった。目的である活用の幅を広げるためには、よりシンプルなシステムで測定を実現し、データ処理も多彩に行える必要がある。今回の講演では空蝉とデータ収集システムに接続したデバイスで、どのような実験が行えるかを示し、その活用方法を議論する。

口頭

蛋白質の階層構造ダイナミクスの解明

中川 洋; 井上 倫太郎*; 小田 隆*; 矢木-内海 真穂*; 齋尾 智英*; 苙口 友隆*; 長田 裕也*; 杉山 正明*; 佐藤 衛*; 川北 至信; et al.

no journal, , 

蛋白質は階層構造と階層的なダイナミクスを持つ。生物機能に関わるナノメートルオーダーの階層構造、およびピコ$$sim$$ナノ秒の時間スケールでの構造・ダイナミクスの実験手法として中性子散乱が期待されている。BL02(中性子準弾性散乱装置)とBL15(中性子小角散乱装置)を用いて、これら時空間スケールの構造・ダイナミクスを解明することを目的として研究を開始した(MLF長期課題2019L0300)。本課題では、折り畳み蛋白質や天然変性蛋白質を含む特徴的な機能性マルチドメイン蛋白質を試料として、研究を推進した。幅広い専門分野の研究者が連携し、「中性子散乱の特徴を生かした蛋白質部分重水素化法」、「各種中性子分光器連携による広い時空間シームレス解析法」、「中性子と計算科学との連携による蛋白質ダイナミクスの可視化法」、「希薄蛋白溶液に対する中性子準弾性散乱測定手法」を開発し、我が国の蛋白質科学を先導する新世代中性子構造生物学を先導した。

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